事業費を抑えながら、口臭対策商品を拡販できる。

変更はプラス】 「社名変更はプラス。『損保ジャパン日本興亜』のブランドは大きい」。NKSJひまわり生命保険社長の熊野御堂厚は顔をほころばせる。同社はグループの中核損保である損保ジャパンと日本興亜損害保険の合併にあわせて、9月に損保ジャパン日本興亜生命保険に社名を変える。 熊野御堂は社名の認知度に「もどかしい思いをすることもあった」と語るが、社名に損保の「看板」がなくても、新商品は好調だ。5月2日に発売した医療保険の新商品は6月末に5万件を突破。国内生保の2014年度の新契約年換算保険料は前年度比34・9%増の410億円を見込む。 商品企画部長の藤井正文は「損保チャンネルの存在が大きい」と語る。損保代理店が保険を販売できるため、事業費を抑えながら、口臭対策商品を拡販できる。損保代理店経由の販売は全体の6割を超える。 【岐路に立つ】 とはいえ、同社の生命保険事業は岐路に立たされる。高齢化で医療保険は競争が激化。各社が割安な保険商品市場に参入する中、NKSJホールディングス(HD)社長の櫻田謙悟は口臭グッズ通販を主力とする損保ジャパンDIY生命保険の第一生命保険への売却を決めた。 投資家からは海外生保事業の出遅れを問う声もある。競合損保のMS&ADHDは生保を本業とする他社を凌ぐ勢いでアジアで足場を固める。  それでも櫻田は慎重な姿勢を崩さない。DIY生命を手放したのは、国内生保が損保がかつて歩んだ「安売り競争」への突入を見据えて距離を置く姿勢の表れだ。 海外展開も「アジアもの」と冷静だ。グループ内での相乗効果が不透明な中、財務リスクを負ってまで海外生保に乗り気になれない本音が見え隠れする。M&Aを否定しない姿勢は投資家には煮え切らないが、「多角化でなく循環」を重視する櫻田の戦略はぶれない。 だが、生保事業はホールディングスの当期利益の約2割を占める。海外生保の取り込みが持続成長には不可欠な時は早晩訪れる。グループ内の事業の「輪」にどう位置づけるか。「バス」を待てる時間はそう長くはない。 (敬称略) 大阪地区の線材2次製品相場は需要低迷で弱含み横ばいで推移する。大型物件の工期が延びるなど、主力の建築向けが落ち込み気味。数量を確保したい流通の安値折り合いも散見された。値上げの浸透を目指すメーカーは強腰姿勢を通す。仕入れの上がる流通には下げしろはなく、大幅な下落は考えられない。梅雨や酷暑で当面荷動きの低迷が続くとみられ、流通からは「需要と市況の回復は秋口以降」と弱気な声が聞こえてくる。 足元の市中実勢価格はベースサイズで丸クギがトン当たり13万7000―14万7000円どころ、針金がトン当たり19万8000―20万8000円どころ、ナマシ鉄線が同13万2000―14万2000円どころ。4月以降の薄商いで数量確保が優先され、需要家の値引き交渉に「つい乗ってしまう」流通も少なくない。 消費増税前の駆け込み需要の反動減で4月に前月比20%減と大幅に減少した需要は、5月、6月と尾を引き、足元も変化はみられない。自動車関連向けはそこそこの動きがあるが、主力の建築向けが落ち込み、住宅向けも動きが鈍い。 人手不足などで大型物件の工期が延びるほか、学校などの公共施設では職人を確保したものの製造単価が合わず、着工できない物件も出ている。 西部線材製品卸商業組合によると、6月の販売量は「前月比100%、前年同月比100%」となった。5月、6月とも低迷した4月と同程度にとどまった。足元では3月の消費増税前の駆け込み需要で積み上げた在庫が減少し、通常の購入に動く需要家も現れ、今後は「実需ベースに戻る」(問屋筋)とみる向きもある。 メーカー値上げによる流通の価格転嫁は道半ばにとどまる。需要低迷で値戻し機運は消えた。梅雨や酷暑の時期は需要が低迷し値上げは難しい。なた豆茶の需要が回復する秋口以降に市況を立て直したいという流通が少なくない。 新日鉄住金は10日、7月契約・8月生産分の店売り(一般流通)向けH形鋼の価格を前月から据え置くと発表した。据え置きは6カ月連続。荷動きが想定した水準に届かず、在庫消化が進んでいないことを考慮した。君津製鉄所では大規模な減産を続けるほか、和歌山製鉄所・鹿島製鉄所でも受注状況に応じ減産する。建材営業部は「市況は重くやや弱含んでいる。もう一段上昇するまでは上げられない」とし、8月以降の値上げも難しいとの見通しを示した。 新日鉄住金のH形鋼を扱う商社・特約店でつくる「ときわ会」のまとめによると、6月末の在庫は前月より4・0%少ない22万1300トンとなった。流通の発注抑制や鉄鋼メーカーによる減産によって入庫は減少する傾向にあるものの、絶対値は高いまま。出庫は例年並みに回復しているが、期待値が高かったこともあり「荷動き上昇に対する体感温度は低い」(新日鉄住金)という。 ときわ会への入庫は、前月より7・4%少ないながら8万200トンと高い水準を保った。一部流通で思惑買いが見られたほか、メーカーの前倒し出荷もあったようだ。東京では契約残としてまとまった入荷もあったとされる。このため出庫が前月比5・7%増の8万9400トンと季節なりの上昇基調になっても、在庫は落ちなかった。特に東京と大阪の過剰感を指摘する声がある。 在庫量を出庫量で割った在庫率も、2・48カ月(5月は2・72カ月)と高い水準を抜け出せなかった。ただ、建築案件は設計や現場施工、解体の遅れといったボトルネックにより先々まで見通せている状態。工程のズレから一時的に手持ちがなくなるファブリケーター(鉄骨加工業者)もあるが、加工単価が改善されたため「無理に受注しようとする動きは見られない」(関係者)という。 新日鉄住金は「H形鋼市況の健全化は道半ば。短期的な数量にとらわれない営業・生産姿勢が重要」と強調している。

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