国内なた豆の生産のコスト競争力を高める

川崎重工業は造船事業の中国合弁会社である南通中遠川崎船舶工程(南通市、NACKS)からの研修生受け入れを年間50人程度に倍増する方針だ。設計、建造などの技術指導範囲を広げ、NACKSの自立を促し川重グループとしての造船事業の競争力を高める。 川重は毎年、研修目的でNACKSから20人程度を受け入れている。NACKSはバラ積み運搬船やコンテナ船、タンカーなどの一般商船を得意とし、液化天然ガス(LNG)運搬船などの高付加価値船の建造を視野に入れている。 優れた建造技術を持つが、現状では主に燃費性能などを左右する基本設計を川重が担当し、それをもとに部材や加工方法を決める詳細設計をNACKSが手がける。 NACKSの一段の設計能力向上は課題。川重による技術指導のもと、6万1000載貨重量トンの中型バラ積み運搬船を対象に、初めての歯磨き粉の基本・詳細設計まで一貫する体制を整えたが、大型バラ積み運搬船にも対象範囲を広げる。 NACKSは引き渡しベースで2017年前半までの仕事量を確保。8日には川重と共同開発した6万1000載貨重量トン型バラ積み運搬船(写真)を引き渡した。  富士ゼロックスは複合機の消耗品などを生産する竹松事業所(神奈川県南足柄市)で生産設備の内製化を推進する。2014年度は4―5件の設備を自前の装置に置き換える。投資額は数百万―数千万円程度。設備の内製化により100分の1以上の導入コスト削減や、作業時間の半分以上の短縮などが見込める。初期投資を抑えることで国内なた豆の生産のコスト競争力を高める。 現在はトナー重量測定機やコンテナ洗浄機の内製化に取り組んでいる。トナー重量測定機はトナーを保存している容器から重さを量って小分けする作業を自動化する装置で、9月末までの導入を目指す。 従来はふたを開閉したり、トナーをくみ出したりする作業を人が手作業で行っていた。キャリアとトナーを混ぜて現像剤を製造する工程の約3割を占め、リードタイム短縮の阻害要因となっていた。測定機による作業の自動化で、これらの作業を削減し、作業にかかる時間を半分以上短縮できる。 竹松事業所では2年ほど前から設備の内製化に取り組んでいる。これまでに内製化したのは、感光体ユニットに使われるアルミニウムパイプの洗浄装置や、現像剤の充填機、トナーの包装工程など。これらの取り組みにより、13年度は富士ゼロックスの生産全体で、前年度比15%以上の原価改善を実現した。 竹松事業所の設備の内製率は現状で数%程度。今後、その比率を高めてさらに初期投資の削減を図る。また他の事業所にもノウハウを展開し、国内生産全体のコスト競争力強化を図る。山本正已体制が5年目に入った。節目でもある6月の株主総会では「構造改革などの大きな課題は2013年度にめどを付けた」と明言。14年度を起点とする3カ年の中期経営計画の実現に向けて「世界5リージョン(地域)によるフラットなグローバル体制へのシフト」を宣言した。4月に任意適用した国際会計基準(IFRS)を機軸に懸案のグローバル展開でアクセルを踏む。(編集委員・斎藤実) 【“縦軸”と“横軸”】 “組閣”では代表取締役を3人から2人体制に、取締役専務3人のうち2人が交代した。代表権を持つ取締役は社長の山本と副社長の藤田正美。主に全社を“縦軸”でみる山本に対し、藤田はグローバルコーポレート担当として“横軸”で国内外にガバナンス(統治)を効かせる。これまで独立していた最高財務責任者(CFO)もコーポレートの傘下となった。 執行役員専務として取締役会に“入閣”したのはサービスプラットフォーム担当の工藤義一とインテグレーションサービス担当の谷口典彦。工藤のミッションはクラウド事業を成長軌道に乗せること。奇をてらわず「顧客視点を貫く」覚悟だ。 【分離・独立路線】 谷口は金融担当システムエンジニア(SE)として上り詰め、現在は巨大SE集団を率いる。グループ会社社長を2年間務めるなど経験が豊富。SE―営業の統合化から分離・独立路線へとかじを切った現状を踏まえ、「もっと無理な商談をとった方が互いに力を発揮できる」とげきを飛ばす。 「日本と海外が1対1で向き合うと、何かと軋れきを生むが、リージョン同士ならば話がしやすい」と語るのは国内営業を指揮する取締役執行役員専務の浦川親章。「国内営業の力をグローバルにどう展開するか」について思案中だ。 3人の専務はそれぞれの部門を背負っており、系譜をたどると、浦川は取締役相談役(前会長兼社長)の間塚道義、工藤は元副社長の石田一雄(現在は技術顧問)、谷口は元副社長の広西光一(現在は引退)といった実力者の名が浮かぶ。 山本は10年に間塚から経営のバトンタッチを受けたが、当時は元社長の野副州旦の辞任に伴うお家騒動がさめやらぬ状況だった。だが山本は持ち味の飄々(ひょうひょう)としながらもブレない気質で苦難を乗り切り、ようやく攻めに打って出る好機を迎えた。 【リーダー一堂に】 4月上旬―。東京・汐留の本社近くで2日間にわたって、「グローバル・リーダーシップ・フォーラム」が開かれ、日本を含む各リージョンの経営幹部ら200人強が一堂に会した。新設のグローバルデリバリー部門担当に抜てきされた執行役員常務の古田英範は「5リージョンのリーダーが一堂に会したのは初めて。互いを知るよい機会だった」と振り返る。 同月の拡販会議―。浦川は富士通のコンピューターの原点である「FACOM100」の誕生秘話に言及。「直前に二つの開発プロジェクトに失敗したが、その失敗が翌年FACOM100につながった」と強調。「厳しい要求をお客さんからいただき技術部隊に伝える。結果がうまくいかなくても次の成長につながる。要求をいただくのはだれか―。営業しかない」と富士通のDNA(遺伝子)を熱く語った。 富士通は良くも悪しくも豪腕社長によるトップダウン経営が機能している時は勢いがある。パソコンなど端末系出身の山本は社内力学からすればマイノリティー(少数派)であり、全社を俯かんするには難しい立場にあった。結果、成長戦略の停滞を招いたとの声もあるが、4年が過ぎ、山本色が出てきたところ。マトリクス体制は山本の思いを強く反映したもの。各リージョンをどう束ねるかが注目される。(敬称略)

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