銅管の国内生産量を生産能力上限

コベルコマテリアル銅管(東京都新宿区、益野裕社長、03・5326・8312)は、2014年度の銅管の国内生産量を生産能力上限に近い5万7300トンに設定した。13年度生産実績から微増の水準。国内はフル操業で生産性の改善や歩留まりの向上に取り組む。タイ・マレーシアなど海外生産拠点からの輸入品も増やし、国内需要に対応。国内工場の稼働率を100%に近づけ、採算性を高める。 コベルコマテリアル銅管は国内に秦野工場(神奈川県秦野市)を持つ。溶解から押し出し、圧延、抽伸、加工まで一貫して手がける。 銅管はエアコンの熱交換器などに使用される。近年の猛暑の影響などでエアコンが普及したのに加え、円高修正でエアコン生産の国内回帰が進み、エアコン向け銅管の需要が増加。一方、国内銅管メーカーの撤退、生産縮小があり、コベルコマテリアル銅管への引き合いが強まった。5月生産量は5400トンとリーマン・ショック以来で最高水準を記録した。 銅管の高まる需要に対し「秦野工場で不足する分は海外生産で対応する」(益野社長)考え。タイとマレーシアの両生産拠点からピーク時に月350―400トンを輸入しており、これを月500トンまで対応させる。中東などに出荷していた分を日本への輸出分に切り替え、顧客からの承認取得も進める。 同社は04年に神戸製鋼所と三菱マテリアルの銅管部門が統合して設立。銅管の国内シェアは50%弱で首位。銅管メーカーは近年の需要回復と国内生産能力の削減で稼働率が向上し、日本伸銅協会がまとめた14年3月末の設備稼働率でも96・1%と伸銅品の中でも高水準を維持している。工学院大学は大学として初めて「スコープ3基準=用語参照」で二酸化炭素(CO2)排出量を算出した。授業や実験などキャンパスでの排出だけでなく、購入した文具やゴミ処理、教職員の通勤など大学運営に関連して発生するほとんどのCO2を網羅した。先進的な企業でも着手したばかりのスコープ3を算出してみると、意外な発見があった。(松木喬)  「CO2削減は限界に来ていた。スコープ3で新たな削減策を見つけたかった」。環境マネジメント工学研究室の稲葉敦教授はスコープ3算出の理由をこう語る。既存ルールのスコープ1、2を製造業に当てはめると、算出対象はオフィスや工場で使用した電力やガスなどの燃料になる。省エネや最新設備の導入など自らの努力で排出を削減できる範囲だ。工学院大のスコープ1、2はキャンパスが主な範囲となり、照明の間引き、空調の自動停止などを実践してCO2の排出を減らしてきた。 スコープ3は購入品の生産や輸送、顧客による自社製品の使用、従業員の通勤・出張などで発生するCO2量。バリューチェーン全体の排出量と言われ、企業活動が社会に与える環境負荷の大きさをつかめる。製造業であればスコープ3が1、2を大きく上回る。 工学院大の2012年度のスコープ1―3の合計量は1万6100トン。スコープ3は全体の55%を占め、製造業よりも比率が低かった。スコープ3の中では購入する消耗品の11%、備品の7%、委託保守の7%が目立った。「購入品が大部分と想像していたが、委託も多いとわかった」(稲葉教授)と分析する。 消耗品・備品は授業や事務で使う文具やパソコンなど。「カーボンフットプリント(製品のCO2量)の数値の少ない製品を選んで購入し、CO2を減らしたい」(同)とし、狙い通りCO2削減の新しい方法を見つけた。だが、CO2量が表示された製品自体が少なく、具体的な削減方法は検討中だ。 「会計帳簿の有効活用にもつながる」(同)のも大きな発見。スコープ3算出のため消耗品などの購入、業務委託などが記録された会計帳簿を利用した。スコープ3算出をきっかけに帳簿が会計以外にも活用できるとわかった。そもそも帳簿からは大学運営の全体像がわかる。整理の仕方を工夫すれば大学運営に役立つ新たな活用法が見つかりそうだ。 今後は「学生の通学や学生食堂など学生の活動にかかわるスコープ3に取り組みたい。他の大学にもスコープ3を算出してほしい」(同)と話す。  【用語】スコープ3基準=CO2排出量を計算する国際ルール「GHGプロトコル」の一つ。持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)などが11年末に公表した。調達品、顧客による自社製品の使用時など15の算出項目がある。投資家や格付け機関が評価しており、東芝、ホンダ、NECなどが数値を公表している。 JX日鉱日石エネルギーは水島製油所(岡山県倉敷市)に石油コークスを燃料とするボイラ発電設備を新設する。350億円を投資し、蒸発量が毎時530トンのボイラと出力11万キロワットのタービン発電設備を建設する。11万キロワットのうち6割を製油所内で自家使用し、4割は新電力として外販する。着工は2016年4月、運転開始は18年4月の予定。 石油コークスは製油所の重質油分解装置から出てくる残さで、水島製油所では年間50万トン生産している。このうち30万トンをボイラ燃料として外販し、20万トンは自家発電装置(出力2万6500キロワット)の燃料として利用している。新設備の稼働後は50万トンすべてを自家消費する。これにより、既存のボイラの稼働を落とすことが可能となり、その燃料である重油を年間4万キロリットル、副生ガスを同4万トン削減できると試算する。 電気も現在は不足分を電力会社から購入しているが、すべて自前で賄えるようになる。さらに余剰電力はJXエネが新電力事業として小売りする。水島製油所で電気を外販するのはこれが初めて。

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